欧州危機と国債金利 最近の報道について
NHKをはじめとするテレビニュースや、大手新聞の報道では、国債金利が7%を超えると自力再建が難しい水準になると言うことをしきりに言っている。
そして、スペイン国債の利回りが7%を超え、今度はイタリア国債が7%の水準に近づいているので危ないと言う理屈らしい。
しかし7%と言う数字に何の根拠があるのだろうか?
20年前の、日本国債、米国債、イギリス国債などは、8%を超える水準であったが、各国ともに好景気に沸いており、むしろ財政は非常に健全であった。
実は、金利の絶対水準(○%)は無意味であり、相対的に最高の格付けの国債と比較してどれだけ信用リスクプレミアム(割増金利)が乗っているかが重要な指標となる。
一般に、国債でも事業会社の社債でも、この信用リスクプレミアムが、5%(500bps)を超えてくると、倒産のリスクが高いとして、投資家から購入を手控えられる。
今のスペインやイタリアの国債の状況は、最上級であるドイツ国債(2%未満)に比較して、まさに5%の格差まで開いてしまったということである。
これらの国債の金利が、今後さらに上がって行くとして、指標となるドイツ国債の金利の動きも見ておく必要がある。
そもそも、指標となる金利が上がったのか、イタリア・スペインの更なる信用力の低下による金利の上昇なのか、その違いは大きい。
大手マスコミの政治部の人は結構優秀だが、経済・金融の人は疑問符が付く人が多い(笑)。
近時の妙な報道に一石を投じてみた。
ダイヤモンドのこちらの記事が非常に参考になる。こちらでは4%(400bsp)を分水嶺としている。
http://diamond.jp/articles/-/14935
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Comments
お久しぶりで~す。
私もその報道、どういう根拠があるのかと思っていました。ただ素人的になんとなく思うに、複利計算で確か7%の金利が続くと10年で2倍になりますから、10年後に倍返しなんてできるわけないジャン…という発想なのかと。。。
毎年2%成長すれば、1世代(35年)でちょうど倍になるとか言いますけれど、金利と成長率が合致していればむしろ高くても問題ないと考えるべきものでしょうか。
Posted by: ぬまっち | November 20, 2011 03:40 PM