バイク便ドライバーの労働者性
最近話題に上ることの多い『偽装請負』というキーワードがありますが、このバイク便のドライバーたちも広い意味ではこの範疇に入りそうです。
雇う会社にとっては、労災保険料・雇用保険料・厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料、すべて払わずに済むのでコスト的に魅力なのでしょうが、労働者の保護の意識があまりにも希薄と言えそうです。
asahi.com より抜粋 -----------
請負契約のバイク便ドライバーも労働者 厚労省通達
バイク便会社と個人で請負契約を結んで働くバイク便ドライバーについて、厚生労働省は28日、一定の条件のもとに労働者と認める通達を全国の労働局に出した。
バイク便ドライバーは労働者ではないとして労災保険が適用されない事例が相次いでいたが、労働者なら労働法令が適用され、労災保険や雇用保険の対象にもなる。厚労省はバイク便会社にも、条件を満たすドライバーに労災保険などを適用するよう指導していく。
常に交通事故の危険にさらされるバイク便ドライバーが、仕事でけがをしても労災が出ないのは問題だとして、連合東京が厚労省に労働者かどうかの判断を求めていた。
厚労省は、バイク便ドライバーの実態を調査。
(1)時間・場所を拘束され、仕事の依頼を拒否できない
(2)仕事のやり方の指揮命令を受ける
(3)勤務場所や時間を出勤簿で管理されている
(4)仕事を他の人に委託できない
――などの条件に当てはまれば労働者とみなすべきだと判断した。
個人請負の問題に詳しい鎌田耕一・東洋大教授によると、90年代から、企業が社会保険料の負担などをきらい、労働契約を請負や委託に切り替える例が目立ち始めたという。「実態は労働者と同様で『偽装雇用』と言わざるを得ないケースも多く、きちんと労働法を適用する必要がある」と鎌田教授は話している。
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今回の判断も、新しいものではなく、
■仕事の依頼や業務従事で諾否の自由がない、
■業務遂行について本人の裁量の余地があまりない、
■勤務時間について拘束される、
■本人のかわりに他の者が労務提供することが認められていない、
の4条件を満たす場合を労働基準法上の労働者としていた、労働基準法研究会労働契約等法制部会労働者性検討専門部会報告(1996年)のガイドラインに沿った判断と言えます。
安易な(偽装)請負契約は、結局高くつくことになりかねません。アドバイスする方もお気をつけて。
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