三洋電気 野中会長の突然辞任
タイトルに、突然の辞任と書いて有りますが、金融機関に働いていたものとしては、遅かったくらいに思える辞任劇だと思います。
この様な方は、そもそも経営能力が有るわけではないので、業績が好調な時の広告塔にはなっても、業績が傾いている会社の再生を出来るわけがないと思うのですが(どのような経緯でなったか良く知らないのですが、酷い人選だと思います)、こんなに長く引っ張ったことで傷口を広げたのではないかと思います。
毎日新聞より抜粋(3月19日) ----------
三洋:野中会長の突然辞任 背景に金融機関との対立
19日に突然辞任した三洋電機の野中ともよ会長は、創業家出身で「三洋のドン」といわれた井植敏氏の肝いりで抜てきされた。
長男敏雅氏の社長昇格時の世襲批判をかわす人事と言われ、「実務能力より対外イメージ」との見方は最後まで消えなかった。今後は野中氏を指名した敏氏の責任に加え、世襲経営脱却に向けた敏雅社長の去就に焦点が集まりそうだ。
野中氏は会長就任直後に、有利子負債削減の柱だった金融子会社の三洋電機クレジット売却を巡り、経験不足を露呈した。05年9月下旬の記者会見で、三井物産への売却をにおわす発言をしたことなどが三井物産側の不信を招き、交渉は破談に。取締役会で「(質問されても)決まった事実はないと答える」と確認した直後の発言だった。
その後も事業のけん引役となるヒット商品を出せず、赤字の白物家電事業の縮小・撤退も遅れ、経営者としての手腕に次々と疑問符が付いた。更に東京都港区の高級オフィスビルに「世界本社」を構え、自らの活動拠点にしたことで「全社で経費削減に取り組んでいるのに理解できない」(幹部)との不満を高めた。
こうした状況下、野中氏外しの動きが加速する。3000億円増資に応じた米ゴールドマン・サックス(GS)と大和証券SMBCグループ、三井住友銀行の3社の要求を受け、三洋は06年2月、CEO制を廃止。更に、3社が派遣した役員が取締役会の過半数を占める合議制に変えた。
来期以降の役員体制について「野中氏抜き」の布陣が公然と語られる中、19日、野中氏は臨時取締役会を招集。2月に発覚した不適切な会計処理に絡み、自らがトップの社内調査委員会設置を訴えたという。だが、金融機関側は野中氏主導の案を受け入れず、辞任は不可避になった。
融資する金融機関関係者の間では「経営刷新には、井植家支配と決別の必要がある」という意見が根強い。野中氏の任命責任を問われる立場となる敏氏は毎日新聞の取材に対し「もう年をとった」など、最高顧問からの退任を示唆する発言をしている
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