「法曹新人類」現る?
4月24日の日経新聞朝刊に、早稲田ロースクールの1年先輩である横倉さんが出ていましたので、紹介したいと思います。
日経新聞より抜粋 -----------------
「法曹新人類」現る(試される司法)
多彩な経歴、型にはまらず
「判例は監査調書の提出義務を認めているが」
「実務家の視点では、関係金融機関の経営状況などを考慮すべきだ。一律に判断すべきではない」
早大法科大学院を先月修了した横倉仁さん(36)は大手監査法人に十年近く勤めた公認会計士。民事訴訟の授業で、教授と何度も論戦を交わした。「私に足りないのは弁護士資格だけ」。M&A(企業の合併・買収)やコンサルタントを一手に引き受ける企業法務に強い弁護士を志す。
(中略)
司法制度改革で打ち出された「法曹人口の拡大」を支えるのが、二〇〇四年四月に開校した法科大学院。「日本版ロースクール」として全国に七十四校設立された。そこで学ぶ院生の特徴は“前職”の多彩さ。約四割を元社会人が占め、医師、外交官、県庁職員など一線で活躍してきたその道のプロが集う。「法曹新人類」の誕生だ。
合格率三%前後の現行司法試験に対し、新司法試験の合格率は当初「法科大学院の修了者の七―八割」(司法制度改革審議会)に設定された。佐藤幸治法科大学院協会理事長は「三十―四十歳代の脂の乗った世代がキャリア中断を思い切れるようになったのではないか」と分析する。
(中略)
問題は「法曹新人類」の特性を生む原動力となった合格率が当初の想定より低くなること。「七―八割」の触れ込みが〇六年度の予想は約五割に。来春は今年度の不合格者や法学未修者コースの修了生らが加わることから三割程度とさらに厳しくなる。
合格率と社会人キャリアをてんびんにかけた結果は一目瞭然(りょうぜん)。北大が設けた社会人対象の特別選抜の志願者は〇四年度の二百十一人から〇五年度は八十七人に激減。〇六年度は新たに東京に入試会場を設けたが、志願者は八十二人にとどまった。明大の伊藤進・前法科大学院長は「社会人の法曹志向に陰りが差した。多様な人材の確保という理念が危うくなった」と警鐘を鳴らす。
(以下略)
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横倉さん、とっても優秀な方なので合格間違いなしでしょう。楽しみです。
最後に引用した、社会人の優秀な人材が目指さなくなっていることについては、何らかの手を打っていただきたいと強く願います。一期生と二期生・三期生の違いは、中に居ると大きな隔たりを感じます。
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Comments
適性試験でJLFの提出が可能になったところが増えたので、多少、30代以上の人が出願しやすくなったかもしれないですね。
DNCは30歳を過ぎると高得点を出しにくいですから。
Posted by: OKETA | April 26, 2006 11:38 PM
OKETAさん
コメントありがとう御座います。
私は、JLFは低得点でした(笑)
DNCは、年寄りの割には得意だったりします。
何はともあれ、30代の優秀な人材の流入を切に希望しま。す
Posted by: owner | April 27, 2006 01:26 AM
たきもとさんのエントリーを興味深く
読ませて頂きました。
30代の「優秀な人材」の流入に
関してですが、私は実感としては
↓の論稿の方に共感を感じるのです。
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20060425/1145899104
たきもとさんはどうお考えになり
ますか?
「合格率が低い。リスクがある」→
「だから『志はあってもローには行かない』」という思考回路がもし仮に
潜在的なロー志願者にあるのだとした
ら、多くの成功した起業家を見てきた
私としては、果たして本当に「合格率
でローに行くかどうかが左右される社会人」(しかも、旧試験と違って単年度合格率は数%という世界から、3割程度も合格
率があるわけでして)の中に本当に
社会で活躍している人々が含まれるか
どうか、私は少し疑問を感じてしま
うのです。
Posted by: 山崎 | April 27, 2006 01:52 AM