選挙権制限は違憲・最高裁判決
最高裁での違憲判決は、久しぶりなのではないでしょうか。司法試験の予備校とかでは、違憲判決は6件暗記しておいてください、と言われたように思いますがこれで7件と覚えることになりそうです(笑)
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NIKKEI NET より抜粋----------
在外邦人の選挙権制限は違憲・最高裁判決
海外に住む日本人が衆院選の小選挙区と参院選の選挙区で選挙できないのは憲法に違反するなどとして、在外邦人ら13人が違法の確認や損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が14日、最高裁大法廷(裁判長・町田顕長官)で言い渡された。大法廷は在外邦人に一切認めていなかった改正前の公選法も、比例代表のみ認めた改正後の同法の規定(在外選挙制度)も憲法違反に当たるとの判断を示した。
大法廷は違憲判断のうえで、訴えを退けた一、二審判決を変更、原告らが次回の国政選挙で制限なく投票できる地位にあることを確認するとともに、「国会が必要な立法を怠った」として、国に対し1人当たり5000円の慰謝料を支払うよう命じた。原告の逆転勝訴が確定した。
1998年の公選法改正で在外選挙制度が創設されたが、対象は衆参両院の比例代表選に限られ、衆院小選挙区と参院選挙区の投票はできない。最高裁の違憲判断により、国会は遅くとも2007年夏の参院選までに同法を改正する必要がある。
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経済人としては、海外の投票制度を維持・整備するためのコストの大部分が、日本在住の納税者の負担になることにはかなり違和感を感じます。民間で、自分の意思により海外に在住する人の選挙コストは、一定の金額は自分で負担すべきではないかと言うことです。
一方、法律家(の卵(笑))としては、最高裁の判決は至極当然と考えます。民主主義の根幹を成す「選挙権の制限」は、いかなる理由によっても認められないと考えます。そもそも、選挙権を制限されては、自分の意見を国家に表明することさえ出来ない状況になるわけで、この部分だけは国会の立法に対して、司法権が違憲判断を下し守るべき最終のラインだと考えられるからです。
追記---------
違憲判断は、関与した判事14人のうち12人の多数意見。具体的な法律の規定に対する最高裁の違憲判断は、2002年の郵便法の規定をめぐる判決以来で、7回目。
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