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July 10, 2005

ホワイトカラー・エグゼンプション制度

 ホワイトカラー・エグゼンプションとは、労働時間にかかわりなく成果を求められるホワイトカラーについて、一定の限られた労働者以外は労働時間規制の適用除外とする制度です。

 平たく言いますと、「ホワイトカラーは、時間で給料払っているのでは無く、成果で払います。従って、いくら残業しようが休日出勤しようが、割増賃金は払いません。」という制度です。

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 労働基準法では、労働時間と賃金が連動しており、能率がよくても悪くても、時間外労働が発生すれば割増賃金を支払わなければいけません。社員の出来が悪かったり、ミスのリカバーで残業しても、企業が残業代を払わされるのは納得がいかないということは理解できると思います。

 私が会社勤めの時もこの問題は認識していました。つまり、同じ仕事を与えて、優秀で17時までに終わる人は残業ゼロで、要領が悪く21時までかかる人は残業代を4時間分貰えるという制度は明らかにおかしいという認識です。

 労働基準法は、大昔の法律で「ああ野麦峠」の時代の、工員を工場で死ぬほど働かせた時代の反省から出来ている法律です。保護する対象は「ブルーカラー」で、工場労働というのは基本的に、長く働けばそれだけ製品が多く出来るので、それが基礎になり時間給で計る割増賃金の発想になっています。

 「ホワイトカラー」の残業代を払わなくて良いという制度は、にわかに賛成は出来ません。自分が働いていた時も残業代はゼロの違法状態でしたが(大手の非組合員になる直前のランクは皆一緒だと思います)、それを合法に追認するような立法を、経団連が推し進めているのはいかがなものかと思います。

 また、うつ病の人や、過労死の人が増えそうな仕組みの作成に映ります。

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「社会保険労務士」カテゴリの記事

Comments

たきさま

「裁量労働制」をさらに厳しくしたものでしょうか。
現行の裁量労働制は、深夜と休日割増は適用されますからね。

個人的には、労基法はどんどん使用者に有利なように改正されていくのかな、という印象を持っています。

確かに、女工哀史から出発した労基法は、現状にはそぐわないと、監督署にいてよく思います。
だからこそ、「労働契約法」が登場してくるのでしょうけれど。

Posted by: 沙理 | July 11, 2005 at 01:33 AM

 沙理さま
 コメントありがとうございます。
 「裁量労働制」は適用が限定的だったのですが、このホワイトカラー・エグゼンプション制度は、殆どのホワイトカラーに適用されるということで、かなり企業に都合の良い制度になっていると思われます。
 経団連の主張が色濃く出ています。

Posted by: owner | July 11, 2005 at 09:35 AM

1週間前からブログ始めました。ブログいつも読ませていただいています。経団連のホームページ見たのですがたしかにまた過労死の問題がでてきそうな内容に思えます。

Posted by: ダッシュの会の谷です | July 11, 2005 at 07:01 PM

 谷さま
 コメント&リンクありがとうございます。
 社労士のプレゼンスを上げるべく頑張りましょう。
 これからもよろしくお願い致します。

Posted by: owner | July 12, 2005 at 01:15 AM

 結局のところ、そのような制度を入れなくても、社内評価で、仕事ができなくて残業している人間をちゃんと低く評価すればよいだけの話なのだと思います。それが(能力的に?)できない経営者が逆手に取って、有能な人を安く長時間働かせることができるようにしようとしているように見えます。
 正当な評価が無い中でこの制度を入れても、能力が低かったり、社内政治など他の事に時間を長くかけていても、仕事量が多くて長くかかっていても、賃金に差がないということになるだけでしょう。

Posted by: un_chan | July 12, 2005 at 01:29 AM

 書き込みありがとうございます
 しかしながら、労働基準法はとにかく時給換算して、労働時間に割り増し時給をかけて支給する制度になっているので、経営は困っているのであります。
 出来ない人の時給を、翻って減らすことは、これも労働基準法が許していないので、斯様な結論になるわけです。
 お分かりでしょうか?
 

Posted by: owner | July 12, 2005 at 01:34 AM

労働契約法制化に反対している経団連に対するものでしょうか。
一理あるものの、その場合の合理的基準が極めて厳しいと思われます。
同じ給与であっても、仕事が出来る人間に業務が集中する傾向があると思われるので…。
上司にとっても処理スピードが速く正確にできる人により多くの業務を課すのが現状でしょう。
しかし、給与に差がつかないですよね。

Posted by: KABA | July 12, 2005 at 04:35 PM

 KABAさま
 コメントありがとうございます。
 会社への貢献と給与のバランスをとることは、企業経営の永遠の課題だと思います。

Posted by: たきもと | July 12, 2005 at 05:03 PM

一般的にはホワイトカラー・エグゼンプションに関して否定的な論調が多いですね。ただ、給与が成果に応じて支払われるのであれば、労働時間管理はそぐわない気もしますし、難しいですね。

Posted by: 新潟の社労士「越後の虎」 | July 12, 2005 at 08:24 PM

 新島さん
 コメントありがとうございます。
 成果主義が、給料削減の道具に使われていように、この制度もそちらの方にバイアスがかかることが問題だと思っています。

Posted by: owner | July 12, 2005 at 11:24 PM

怖いですね。正直怖いと思いました。
給与削減、時間外労働の増加、うつ、過労自殺...
怖いことばかりが思い浮かんでしまいました。
こんな人事管理が本当に会社の業績を向上させられるのか、疑問です。

Posted by: とがちゃん | July 13, 2005 at 12:19 AM

 富樫さま
 コメントありがとうございます。
 雇用者側にしてみれば、本当に酷い制度改悪に映ると思います。
 皆が、成果主義でお金を取り合いたいと思っているわけではないですからね。

Posted by: owner | July 13, 2005 at 01:06 AM

 こうした話が出てくるのは、時代の流れだと思っています。実際、成果=労働時間でない仕事も増え、労使とも労働時間管理を望まないケースも出てきていると肌で感じています。
 ただ、安易な制度作りをすると、ただの「割増賃金不払制度」になり、うつ病・過労死オンパレードになるでしょうね。過重労働防止の抑止力や労働時間・賃金・評価のあり方を含めて、本当にこうした制度が必要かどうかを含めてまだまだ検討しなければならないと思います。
 ホント、会社への貢献と給与のバランスをどう考えるかは企業経営の永遠のテーマですね・・・。

Posted by: やまだ経営労務管理事務所 やまだ | July 14, 2005 at 01:59 AM

 あらなみぃさん
 コメントありがとう御座います。
 サラリーマンであった自分から見ると、大変な制度のように思われますし、企業から見れば当然のような気もしますし・・・

Posted by: owner | July 14, 2005 at 02:45 AM

ホワイトカラー、営業職は製造と違い
営業成果がなかなか見えない部分も多い
もし会社側がホワイトカラー、エグゼンプションを
おこなうのであれば定時間で業務終了する
この辺がキチンと実施されなければ
国が認めない方針にするのがいいと思うのだが
て言うよりエグゼンプションの中身に問題がある
誰が考えたんですか?僕にはへんな制度にしか
思えないですね、僕は労働基準局のありかたに
問題ありだと思う、普段はどんな業務してるうですかね
過労死した人が出ないかぎり、会社には査察に来ないんでしょうか?

Posted by: ブラックバス | November 23, 2005 at 10:58 PM

 コメントありがとうございます。
 ご意見は、社会主義的視点に若干偏っているようにも思われます。基本的には自由主義「国家」の干渉は最小限と言うのがスタートでは無いでしょうか?
 「労働基準監督署」にあまりの監査権限を持たせるという発想にはあまり賛成できません。
 だからといって、民間に任せすぎると無茶をやるのでその落ち所を何処に持っていくのかが一番難しい所だと思います。

Posted by: owner | November 24, 2005 at 04:29 PM

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