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April 27, 2005

消極的安楽死

 読売新聞ニュースより抜粋
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 北海道立羽幌(はぼろ)病院(佐藤卓院長)で2004年2月、当時勤務していた女性医師(33)が男性患者(当時90歳)の人工呼吸器を取り外して死亡させた問題で、道警は27日、女性医師を殺人容疑で5月にも旭川地検に書類送検する方針を固めた。

 回復見込みのない患者の苦痛緩和などを目的に患者の死期を早める「安楽死」をめぐっては、筋弛緩(しかん)剤などを投与した医師が殺人容疑で逮捕された例はあるが、「消極的安楽死」といわれる延命措置の停止だけで立件されるのは初めて。

 調べによると、女性医師は昨年2月15日午前、同病院の集中治療室で、自発呼吸のない男性患者の人工呼吸器を取り外し、約15分後に男性を死なせた疑い。

 安楽死をめぐっては、1991年に東海大付属病院(神奈川県伊勢原市)で、末期がん患者に塩化カリウムを注射して死亡させたとして殺人罪に問われた医師の有罪が95年に確定。判決で、横浜地裁は延命治療の停止による安楽死が許容される要件として<1>回復の見込みがない<2>本人または家族の意志に基づく<3>自然な死を迎えさせる目的――の3要件を示したが、道警は女性医師の行為がこれらを満たしていないと判断した。
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 補足しますと、上述「東海大学病院安楽死事件」では、「積極的安楽死」の適法要件に下記4つの要件を要求しています。
1.患者に耐えがたい激しい肉体的苦痛が存在すること。
2.患者について死が避けられず、かつ死期が迫っていること。
3.患者の意思表示。
4.医師により苦痛の除去・緩和のため容認される医療上の他の手段が尽くされ、他に代替手段がない事態に至っている。
 しかしながら、この要件を満たして積極的安楽死を認めた事例は今のところありません。

 一方で、積極的延命措置を取らない、「消極的安楽死」は適法であるとの見解が有力であったので、今回立件は末期医療関係者には大きなインパクトがあると思われます。治る見込みの無い肉親に、資金を注ぎ込み、家庭が崩壊することと、延命を打ち切り安楽死を認めることと、どちらに軸足を置くべきかは、これからの高齢化社会にはあまりにも大きく難しい問題だと思います。


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