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March 12, 2005

ライブドア(落とし所)

 ライブドアの、新株予約権の差止請求が一応認められました。でも、株価の反発はわずか8円。上がりを待っていて買っていた向きは来週初にも投げることになりそうです。

 私が銀行員をやっていたときは、お客さんと意見が対立しても、お互いに譲歩して落とし所を何とか探るような努力を常にしていたものですが、今回のライブドア社とフジテレビの対立はお互い全く歩み寄らないので、もはや完全に泥沼化しています。
 フジテレビの昨年9月末の連結純資産は5,056億円、ライブドア社の昨年9月末連結純資産が536億円であることを考えると、今後対立がさらに進んだたときのニッポン放送株の下落インパクトは、格段にライブドア社のほうが大きいと思われます。

 磯崎先生のBLOG3月9日の記事に、非常に詳細に分析されていますが、ライブドア社のニッポン放送保有株式はおよそ1400万株、1000円下がると140億円の損が発生します。ニッポン放送のTOB前の株価は約5000円で、TOBが終わり、プレミアムが剥げて元の価格(5000円)に戻ればライブドア社の損失は約166億円。上場廃止により、さらに4000円、3000円と下がれば損失は304億円、444億円とほとんど株主資本を食い潰す状況まで追い込まれることになります。(MSCBの転換による自己資本の増加は勘案していません)

 では、どうすれば良かったのでしょうか?「落とし所」です。個人的な意見では、今回の買収自体が電撃戦のような部分があり(つまり株主資本が536億円しかない会社が800億円もMSCBを発行して買収を試み、追加資金にほとんど余裕の無い状況になり、買収があっさり成功しないで長引けば資金不足が目に見えているということ)、それが失敗した場合の逃げ道(TOB価格程度でフジテレビに株を引き渡し損切りする)を用意しておくべきではなかったのか?と思います。

 何度も書いていますが、今回の勝負はライブドア社の株主資本に対してあまりにも負担の大きすぎる買収でした。株主資本をほとんど毀損して、株価を5分の1まで下落させても、「想定の範囲内」とか「株主の利益」などと言えるのでしょうか?ライブドア社は、堀江さんの一人会社なので、そうなっても社長を解任することも出来ないと思いますが(堀江さん不在のライブドア社なんて企業価値は無いでしょうから)どうやって責任を追及するのでしょう。
 私が側近であれば、面子を捨ててでも、フジテレビに5950円で買い取ってもらうように社長を説得します。そうすれば、損もたいした金額ではなく(35億円程度?)致命傷にはならないでしょう。そして株価は、懸念が晴れて450円に・・・なるかもしれません(笑)。

 堀江社長は好きなので、是非、勇気ある退却を期待したいと思います。新株引受権を差し止めても、それだけで買収がうまく行くわけではないのですから・・・・

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Tracked on March 12, 2005 01:55 AM

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