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February 24, 2005

ライブドア株(続々)

 まだまだ続く、ライブドア対フジサンケイグループ。ちょっと尻切れトンボのような終わり方になってしまったので、続きを書いてみたいと思います。(結構反響があって、続きを書けという要請もありました(笑))

 第三者割当による新株予約権発行の概要
①新株予約権の目的たる株式の種類および数
47,200,000 株(本新株予約権1 個当たりの目的たる株式の数10,000 株)
これが全額実行されると50%超の株式をフジテレビが握り、ニッポン放送は同社のの完全な子会社になります。
②新株予約権の発行価額 1個につき3,362,731 円
発行価額ゼロで発行してしまうと、「有利発行」ということで、株主総会の特別決議が必要になるので、それを避けるためにきちんと時価を計算したのでしょう(1円単位まで・・)。これだけでもとりあえず15,872百万円。
③新株予約権の行使の際の払込金額の総額
2808億4000万円
ライブドアの800億円の3.5倍です。すごい金額です。ただし、オプションのいいところは使わなくても良い訳で、ライブドアが「敗北宣言」すれば、使わなくて済む可能性があるわけです。(多分そうなる)
④行使請求期間
平成17 年3 月25 日から平成17 年6 月24 日
短い。長くすると、オプション価格算定のときにタイムバリューが大きくなってしまうので、それを防ぐためと、この位の期間があればライブドア社が音を上げるという読みでしょうか。
⑤新株予約権の消却事由および消却条件
消却日に、本新株予約権1個あたり3,362,731円にて、全部または一部を消却することができる。
フジテレビは新株予約権を購入するためにお金を払うわけですが、使わなかった分は返してもらえるようです。

 とまあかなり強引な新株引受権の付与なのですが、これは既存株主を害するのではないか、というライブドアの主張ももっともです。せっかく高いコストを払って40%も買いつけたのに、負けそうなフジテレビに巨額の増資を引き受けさせて、買収すると言う目論見をパーにされてはたまらないと言うのも一理あります。法的にはどうでしょう?

 判例は、一貫して既存株主の利益保護よりも会社の資金調達面を重視して、経営者の特定株主への割り当てを合法としてきています。唯一違う結論になったのが、平成元年7月25日(東京地裁)の「いなげや・忠実屋」事件ですが(新株発行が特定の株主の持ち株比率を低下させ現経営者の支配権を維持することを主要な目的としてされたものであるときは、その新株発行は不公正発行に当たるというべきであり・・・)、この場合は新株の相互引受になっているという特殊事情があって無効とされたものですが、それからも資金調達重視(つまり増資は有効)の流れは変わっていないようです。

 勿論本件も抜かりは無く、資金使途が「(仮)臨海副都心スタジオプロジェクトへの整備資金」に利用されるそうなので、資金使途は正当です(上記の主として特定の株主の持ち株比率を低下させに該当しない)といえるのでしょう(しかしこんなプロジェクトの資金を全額増資でまかなうなんて普通は無いですよね(笑))

 ライブドア社の差止請求について、東京地裁がどのような判断をするのかは非常に楽しみですが、個人的にはどちらに転んでも、もはや長期戦に突入しているので、資金的にきついライブドアが苦しいように思えます。

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Comments

 ライブドアは買収してその後CXをどう利用しようというのでしょうか?そこがぜんぜんわからんのです。
 リーマンブラザーズ証券や村上ファンドだって、その辺を詰めてから協力したはずなのに。

 ソフトバンクがボーダフォンやツーカーを買収するなら、十分に合理性があります。

Posted by: Inoue | February 25, 2005 at 10:48 AM

>これだけでもとりあえず1587百万円。

158億72百万円ですよ!(笑)
(http://www.jolf.co.jp/company/IR1242/PDF/sinkabu444.pdf)

払込金額も凄い額ですが、発行価額だけでも充分凄い額ですよね…。 僕もこの事件は注目してます。 blogの更新楽しみにしてます!

Posted by: HAMA | February 25, 2005 at 12:11 PM

HAMAちゃん
ご指摘ありがとうございます。直しときました(笑)

 INOUEさま
どう利用するかは、私にも分かりません。一応もっともらしい理由をつけていますが、売り抜けが目的の一部だった感は否めません。
 それから、結構勘違いしている人が多いのですがLB証券も、村上ファンドも、買収が成功するかどうかには全く興味が無いと思います。要は自分が儲かるかどうかです。「詰めてから協力」というのは的外れだと思います。それについては近日中に本文で書きたいと思います。

Posted by: owner | February 25, 2005 at 01:16 PM

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